ドッグショーに写真撮影・お手伝いとして参加して　全日制１年

2022/12/14

ショー会場の朝は早く、太陽が昇る前から先生方、お手伝いのクラスメイト、出場予定の学生による設営、準備が行われた。何事も光の当たる場所でスポットライトを浴びる人達の裏側には、それを支える人達の協力があり、その助けによって表舞台の人間は輝くことが出来ることを忘れてはいけないなぁと私の心はその状況を切り取った。

秋の朝よく耳にする“放射冷却現象”、山に近いサマーランドはとても寒いと聞いていたので、クラスメイト達の体調などを心配していたが10月30日の朝の空気は、秋の朝にしては過ごしやすい暖かさでした。気温の寒さと共に緊張でピンと張りつめた空気感、写真の絵をドラマチックにすることだけを考えたら、寒さで息が白くなるくらいの方が、切り取りやすく嬉しいが…寒さによる手のかじかみがシザー使いに影響すると先生に伺ったので、この気温の緩みは本当にラッキーだと感じながら、ファインダーを覗いている私がいた。

ドッグショーの準備風景を切り取るということで、クラスメイト達がどんな表情をして担当犬のセットをして、緊張の山を越えてドッグショーをやり切ることが出来ることに私の心はワクワクドキドキ踊っていた。

踊る心を抑えつつ周りを見渡すと、表情を切り取りたい私の行動を阻むマスクが、一番最初に目に飛び込んできました。感染症対策のためには必要不可欠のマスクですが、常にしていなくてはいけない状況に、マスク無しの人物の表情などを切り取っていた10年以上前を思い出し、時代の流れを感じた。現代のカメラマンは何を切り取るのだろう？頭の中でぐるぐると考えながらパドックの中を歩き回り、みんなのありのままの姿を記録として切り取れば良いのだという考えがすぐ頭の中に浮かび、ざわついた心を切り替えることができました。

気を取り直してパドックを見渡すと、ショーに出場予定のクラスメイト達も、話しかけがたい真剣な眼差しで、自身が担当するわんこにセットの最後の仕上げを行っていた。皆の顔はマスクで覆われて隠れているけれど、顔を覗き込んでみると、瞳の輝きは真剣そのものでキラキラ、目の前の担当犬と向き合う姿はとても格好良くいつものクラスメイト達とはまた違った色を放っているように私の眼に映りました。

日々、自分の担当犬と向き合い、お世話をしてハンドリングの練習をしていく過程で不安が払拭され、輝きを手にすることができ、凛とした姿勢で臨めるようになったのだなと、ドッグショーまでの努力を心から讃えたいと感じました。また、わんこ達とも絆を固く結び現在に至る姿に羨ましさを感じました。

陽が昇り、ドッグショーがスタートすると、プロのハンドラーの方々が自分の犬をとても誇らしげに自身たっぷりにハンドリングしている姿が目に飛び込んできて、そんなプロたちと競い合うことになる現実に、自分のことのようにドキドキしている私が居ました。

クラスメイト達に順番が回ってきて、ハンドリングが始まり、競い合う表情を見てみると、本当に良い顔をしていました。ひとつのことをやり切った清々しさを感じることができました。物事をやり続けることにより、手にすることのできる対価は本当に大きいのだと今回のドッグショーを見て深く思いました。

この成功体験が、トリマーになったクラスメイト達の大きな自信のひとつになれば良いな、と心から思いました。また、日々、学生を支え続けている先生方にも心からお疲れ様でしたとお伝えしたいです。

全日制　１年生　Ｍ・Ｏ